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対談「不登校・ひきこもりからの回復のために」

心理相談室サウダージ室長 前田昭典 × 不登校・ひきこもり回復者・当相談室スタッフ黒澤裕之

前田:我々「心理相談室サウダージ」のスタッフ、黒澤くんは、元ひきこもりです。今は立派に回復して、依存症の回復施設で正規職員として働いています。そして、「心理相談室サウダージ」のカウンセリング・スタッフも勤めてもらっています。今日はひきこもりをテーマに、「心理相談室サウダージ」の第1回スペシャル対談をしていきたいと思います。ただ、一般論だけを話してもしようがないので、黒澤くんの不登校とひきこもり、そこから脱出して、現在は正規雇用の仕事にも就き、自立して一人暮らしをしている、そういう状況に回復するまでの体験談も話してもらいましょう。その回復の経験が、他の不登校・ひきこもり問題に悩んでいらっしゃる当事者の方たちやご家族、援助職の方たちのお役に立てばと考えています。さて、黒澤くんのひきこもりは不登校から始まったケースだけど、不登校が始まったのはいつから?
黒澤:本格的に学校に行かなくなったのは、中学生ぐらいですかね。
前田:中学何年ぐらい?
黒澤:中学2年生の途中ぐらい。ちょこちょこ行かなくなり始めたのは、小学校高学年。行かない日が決まっていて、提出物を出す日に行かなくなる。提出物ができてないわけじゃなく、見せたくないんです。僕が小学生の頃って、作文を書いたりすると廊下に貼り出してたんですよ。あれがすごく嫌で、それでだんだん学校に行かなくなってきて。夏休みの自由研究など課題はやっているんだけど、提出をしたくない。
前田:「よくできたね」という意味で貼り出されても嫌なの?
黒澤:それも嫌です。基本的に自分が創作したものを見せるのが嫌。
前田:考えてみれば、日本の学校ってデリカシーないよね。昔は夏休みの宿題で、絵日記とか書かせてたじゃない? でも、日記は本来、人に見せるものじゃないよね、プライベートなものでしょう。しかも、小学校高学年ぐらいになると、子どもも色気づいてくるから、〇〇ちゃんが好きですとかいう気持ちも出てくるけど、そんなこと学校の先生に見せるものに書くわけがない。通りいっぺんのことしか書けないから、自分も書いていて面白くないし。
黒澤:中学1年の頃は割と行けてたんですよ。自分は場面緘黙(ばめんかんもく)があって、家では話ができるんだけど、学校に行ったり慣れない場所に行ってしまうと話ができない部分があったんで、それに対してクラスメイトからいじりが始まった。そこからいじめに発展したりということもあって、行けなくなった。
前田:「なんで話さないんだ?」と言われるの? クラスメイトだけじゃなくて、先生にも?
黒澤:はっきり言われるわけじゃないけど、変わった奴だな、と。
前田:変わった人間、人と違う人間を排除するのが、学校や日本社会の悪いところですから。少数派は常に排除、いじめの対象。
黒澤:1年生の間はなんとか乗り切ったんですけど、中2になってから、本格的にいじめが始まって……。でも担任は良い対応をしてくれて、いじめの加害者と親を呼んで話し合いの場を作ってくれたんです。でも、そこで親が自分をかばってくれなかったんですよ。お父さんもそうだし、母も、僕より母自身がかわいそうみたいな話をし出して。
前田:ひどいね。
黒澤:それが終わった後ぐらいから本格的に学校に行かない状態。中3になって一応、登校再開したんだけど、1か月ぐらいでもう人間関係がしんどい。5月の修学旅行はとりあえず行ったんですけど、その後はもう完全に不登校。外に出られない、いわゆるひきこもりの状態になってきたんです。通っていたのが地元の学校で、近所に住んでる同級生に会いたくないから、昼間は出ないようにして夜にコンビニへ行ったりしていた。昼夜逆転です。
前田:コンビニには行けてたんだ。公立の学校はみんな地元だから、学校のクラスメイトに会うとか、いじめの加害者に会うとか、嫌だよね。そこはすごく大きい。
黒澤:自分の場合は、いじめがめちゃくちゃ激しかったというわけじゃなくて、いじりの延長だったんですが、親から擁護されなかったことも不登校の原因として大きかった。
前田:黒澤くんのケースはそうだよね。ひきこもりには家族背景がすごくある場合と、主に学校が原因の場合がある。両方の場合もあるんだけど。ところで、中学で部活はやっていたの?
黒澤:その頃、「スラムダンク」がブームで、友達の付き合いでバスケ部に入ったんです。ただ、うちの学校のバスケ部はすごく強くて、顧問の先生も熱心だったので、ついていけなくなって幽霊部員になって、3か月で辞めちゃった。
前田:ゆるい部活だったら続いてたかもしれない。学校はどうしても行かなきゃいけないって場所ではないけど、確かに公立学校の場合は地元問題ってかなりでかいよね。
黒澤:「なんで来ないの?」と聞かれるのが一番困るんですよね。今だったら適当なことを言ってごまかせるんだけど、あの当時は真面目に考えちゃってた。
前田:中学生ですからね。自分でもなぜ学校に行けないのかわからないという、一番中核の悩みを単刀直入に聞かれちゃうわけじゃない? 不登校の人は真面目な子が多い。一生懸命学校に行こうとするんだけど行けない。なぜ僕は行けないのか、そこが自分でもわからなくて悩んでるのに、なんで来ないんだよと言われちゃうとね。ひきこもりも同じだよね。なぜ外に出られないんだと言われても、こっちが聞きたいって話だよね。周囲からの登校刺激はあったの?
黒澤:特に父親は、学校に行けとよく言ってました。学校に行ったら〇〇してやるとか条件つけて、だからまず学校へ行けと。そういうのはありました。
前田:飴とムチだね。
黒澤:中3の最初のうちは、担任に訪問で来てもらったりもしてて、学校や家以外で話したりしたんですけども、どうしても受験という問題が出てくるんです。成績はしようがないとしても、出席日数はまずいよねという話になって、とりあえず夕方に顔出すだけで出席扱いにするからと言ってもらえました。担任は一生懸命やってくれてた。
前田:訪問もすればいいってものじゃないし、しなきゃいいってものでもないし、ケースバイケースで難しいですよね。登校刺激は与えるなと一般的には言われるけど、学校側と親が無関心でいいのかと言ったらそうじゃないしね。無関心は絶対だめだから。登校刺激とは、不登校の人に学校に行きなさいという刺激を与えちゃうこと。学校行けと言って尻を叩くことですね。これは基本的にはやってはいけない。直接じゃなくても、本人の意思に反して学校に行かせるように仕向けるのもダメ。昔はひどかったんだよね。今でも「引っ張り出し屋」と呼ばれる業者は存在するんだけど。昔は、周囲が無理やり不登校児を引っ張り出したり、父親が暴力を振るったり、学校の先生が頻繁に訪問し過ぎたり、友達使って一緒に行こうぜと誘わせたりとか。飴とムチの飴を与えることも多かったよね。学校に行ったらほしいものを買ってやるぞ――みたいな交換条件。
黒澤:どんどん苦しくなっていったんですよ、その時期。うつ状態がひどくて、昼夜逆転していて、朝起きられないことがあったんです。目は覚めるんだけど、体が重くて動かない。今こんな状態になっているし、将来も考えられない。その時期は本当……自殺したかった。
前田:かなり典型的なうつ状態だね。早朝覚醒があって、目が冴えちゃってるんだけど体が動かないという。
黒澤:でも、動けないから自殺するところまで行けない。ベランダに行って飛び降りることもできないし、包丁持ってきて自分を刺すこともできないし、それでまた自分を責める。
前田:僕もうつ病の経験があるからわかるんだけど、うつ症状の一番重い時は、自殺すらできないよね。自殺っていろいろ準備が必要だから。自宅の包丁でちゃんと死ねるかわからないから新しい包丁買ってくるとか、首くくっても切れないようなロープを調達してくるとかさ。うつの一番苦しい時って、死ねたらどんなに楽かと思うけど、死ぬ元気すら出ない。むしろ、うつ病になり始めでまだ病気の自覚がない時や、治りかけでもう大丈夫だと思って無理した時、そっちの方がよっぽど危険。「カウンセリングを受けてだいぶ良くなりました」と、うつ状態だったご相談者さんが話したら、「今が一番危ないですからね。絶対無理しないでね。今までの遅れを取り戻そうなんて頑張り過ぎたりしないでね。」とは言います。しかし黒澤くんは、その年齢でそこまで典型的な重症のうつになっちゃうとは、ある意味すごいよね。うつ病って大人の病気でしょ? どっちかといえば。子どものうつ病っていうのもあるけどさ。病院は行った? 精神科とか。
黒澤:精神科は行っていないです。行けなかった。
前田:まあ、行けないよね。黒澤くんが不登校やうつ状態になった90年代前半だと、うつ病の知識や、精神科・心療内科の正しいイメージは、まだあまり世の中に浸透していなかった。今だと、心療内科って特にソフトなイメージになったよね。やってることは精神科病院も心療内科クリニックも同じようなものだけど。心療内科医は、内科的な症状も診て、ストレスの影響かもしれませんねとか言ってくれる場所というイメージがあって、なんとなくソフトな感じがする。精神科受診は、あの頃はまだかなり敷居が高かった。恐ろしいところ、檻に入れられるという誤ったイメージがありました。うつ病の人を檻に入れてもしようがないんだけども。動けない人だから。インターネットもない時代だし、うつ病の知識も一般の人にはほとんどなかったですよね。それにしても、薬も飲まないでよく治ったね。自然治癒?
黒澤:無理やりなんとかした感じです。夕方に学校に行って、10分か15分、担任と話をして帰ってくるだけの毎日。授業を受けてないから学力がどんどん落ちていくし、受験できる学校が限られてきちゃって、焦っていました。
前田:実は黒澤くんと僕は生まれ育った地域が近くて、僕が通った塾に黒澤くんも通ってたんですよね。
黒澤:その塾に通ってたのは、小学校5年ぐらいですね。母親が中学受験させようとしてて。結局受験はしなかったけど。
前田:成績はどうだったの?
黒澤:さっきも言ったように提出物を出さないのがね……。別に授業についていけないわけじゃなかった。小学生時代は、勉強しなくてもテストは90点ぐらい取ってて。
前田:地頭がいいんだな。
黒澤:答えが決まってて、そこに答えを書くだけの書き取りや計算はできたんですね。ただ自分で自由に発想して何か表現してください、というのがすごく苦手で。図工が一番苦手でしたね。
前田:今はどう?
黒澤:絵は描けないです。
前田:自己表現に蓋をしてるところはあるのかもね。何かに遠慮しているような……。それで、けっきょく高校受験はしたんだっけ?
黒澤:通信制の高校に籍を置きながら、勉強はサポート校ですることになりました。通信制の学校には月1回ぐらいしか行かないんだけど、サポート校の校舎には、毎日、代々木上原まで通ってた。
前田:じゃあ、家から1時間ぐらいかけて行ってたんだね。電車で毎朝。でも、うつ状態が続いてたら、毎朝学校には行けてないよね?
黒澤:動けるようにはなったんですけど……。僕はいつもリセット癖みたいなものがあって、リセットをして新しいものだったら自分はできるだろうと、当時は思っていた。高校に入って今までの人間関係も全部リセットされて0からやるのなら、やれるだろうと。そう思ってたんだけど、行ったら、人といるのがしんどい。結局サポート校にもだんだん行かなくなって。
前田:サポート校には、黒澤くんと似たような不登校の人たちもいたはずなんだけどね。リセットに関してだけど、例えばいじめ被害や体罰教師からの被害があった学校から離れて、高校に進学したとか転校したとかでリセットできたら、全く問題がなくなったという、そういうリセットがうまくいく場合もあるんだけどね。リセットがうまくいかない、どこに行っても人間関係でつまずく。――ということは、やっぱり黒澤くんの問題には、学校よりも家の問題により大きな原因があるんでしょう。家族の中で人間関係がうまくいかず、そこからいろんな問題が出てきているから、リセットして単純に場所が変わっただけだと、あまり問題に改善がないですよね。取材者:黒澤さんの場合、家庭により問題の大きな原因があるということについて、もう少し詳しく教えてください。
前田:僕は黒澤くんのお母さんは知っています。今もカウンセリングに月に1回来ていただいていまして。それもあって、黒澤くんの家庭内のことは、お母さんから見た角度からも知ることができるようになりました。黒澤くんの不登校・ひきこもりの背景には、そもそも黒澤くんのお父さんとお母さんの夫婦関係の問題があるということが、それでよりはっきりしてきました。まず、お父さんは発達障害。今、発達障害ブームみたいなことになっていて、表面上の状態だけでなんでも発達障害にしてしまういわゆる誤診も多いんですが、黒澤くんのお父さんは本当に自閉症スペクトラム(アスペルガー障害)。特性のひとつとして、自分がいったん習慣にしたことをなかなか変えたがらないというところがある人です。もちろん、この特性には良い面もあります。掃除や健康のための軽い運動などの良い習慣が継続しやすいなどですね。ただ、黒澤くんのお父さんの場合は、どんな日でも必ず朝の5時から洗濯を始める。集合住宅だからワンフロアに家族みんなで生活しているのに、朝5時から洗濯されたらうるさくて寝ていられないでしょ。だけど、いくら言ってもやめてくれない。黒澤くんは昼夜逆転してるから、朝5時なんてやっと寝つけたぐらいの時間なのに。お父さんは1回決めちゃうとなかなか修正が効かない人だから、大変だよね。そして、黒澤くんのお母さんは共依存。お母さんのご実家は、アルコール依存症者を抱えていた家庭です。黒澤くんの生育家族内の問題には、依存症もかなり影響している。ここで、ちょっと共依存についてもお話ししておきます。共依存とは、ひとことで言うとお世話焼きがやめられないという状態のこと。「お世話焼き」っていいことに感じるかもしれませんけれども、「おせっかい」というと、いやでしょ。自分でできることもおせっかいしてくるとか、自分はこうやりたいのに、こっちがいいよって言われるとか、あまりうれしくないですよね。だいたいそういうおせっかいなアドバイスには、枕詞として「あなたのためを思って」とか「よかれと思って」という言葉がつく。でも、必ずしもその助言が正しくない場合もあるわけです。つまり、共依存というのは、自分と他人の境界線がはっきりしていなくて、自分ではいいことをしているつもりで、相手を自分の言いなりに動かしてしまおうとすることです。ひきこもりの家庭に共依存の人がいると、こうした方がいいというアドバイスがどんどん飛んできて、しかも時々……いや大半トンチンカンだったりすると、アドバイスされる側はたまらないです。一方、アドバイスされたひきこもりの人は、トンチンカンなアドバイスだけでなく、たとえ良いアドバイスであっても、他人の命令に無理に従わされる気持ちになり、その良い方向にはかえって動きにくくなります。しかし、共依存の人たち、例えばひきこもり者の家族などは、自分は一生懸命誰かのために尽くしてる感覚がありますから、おせっかいをやめられない。共依存というのは、もともとアルコール依存症の家族支援の中から出てきた言葉です。わかりやすい例で説明すると、中年男性のアル中夫がいて、その妻が、夫が酒で犯した不始末をよかれと思ってしりぬぐいしてしまう。そうするとアル中夫は、いつまでたっても自分に酒の問題があるという現実に直面しないままなので、酒をやめない。夫のおしりを妻がふいてあげるわけですよ。会社を休むと妻が「風邪をひきまして」などと嘘ついて電話をしてあげる。夫が酒飲んで暴れてそこら辺を壊したりした後を片付けるのも妻。家計の大半が酒で消えてしまって、一生懸命お金を工面するのも妻。でも、妻が一生懸命働いて稼いでも、夫は全部酒代にしちゃう。夫は二日酔いで仕事を休む時も、自分で会社に欠勤の電話をかけないから、いつまでたっても自分は仕事に穴を開けてる自覚がない。だから、それを全部本人に返しなさいと援助者は言います。例えば会社に自分で電話をさせる。妻が電話してくると上司もそうですかとしか言いようがないんだけど、本人が「すいません風邪を引きまして」と言っても、上司も酒の問題がある人間だとわかっているから本人には怒る。「馬鹿野郎! わかってんだよ。お前また二日酔いだろ!? 次やったらクビだ!」と、電話をガチャーンと切られて、初めて夫がヤバい! って感じるようになる。夫が酔っ払って家の中をグチャグチャに壊したり、汚物をまき散らしたりしても、妻は片付けをしない。夫が翌朝起きてみると家の中がグチャグチャ。酔って記憶のない夫は、このグチャグチャは誰がやったんだ? と言い出すかもしれないけれど。あんたに決まってんでしょ、片付けしなさいよと言い返される。家にお金がないことも、自分が全部飲んでるからだとわからされる……。自分の問題に直面していかないと、いつまでたってもお酒をやめない。だから過度のお世話焼きは、必ずしも人のためにならない。でも、一生懸命お世話を焼いてる素敵な私、私の愛でダメな夫を立ち直らせてみせる! と自己陶酔していくから、なかなかお世話焼きをやめられない。アルコール依存症の夫だけではなく、共依存の妻も病気よね。黒澤くんのお母さんはアルコール依存の父親がいる家庭に育っていますから、ご自分の父親に対する母親の共依存的なお世話焼きをずっと見ています。さらに、そのかわいそうな自分の母親の慰め役になっていく。世話をする、されるという親子の立場が逆転してしまっていたのでしょう。そして、自然にお世話焼きをし過ぎる共依存的な生き方が身に付いちゃったんですよ、子供の頃からの家庭環境が原因で。
黒澤:家族関係の話で言うと、コミュニケーションが成立しないんですよ。うち、夜ご飯をみんなで食べているときに会話がない。
前田:だろうね。
黒澤:テレビを見ているときでも、4人家族中3人は笑ってるんだけど、父親だけが笑っていない。夫婦間のコミュニケーションが取れなくなっているので、母親がどういうことをしてきたかというと、僕が旦那の役割になっていくわけです。一番困ったのがお金がない話をされて、小学生のときにそんな愚痴を言われてもしようがないよね。父親が稼いでくる生活費が足りない話を僕に言ってくるわけです。言ってこられてもどうしようもない。でも、お母さんはかわいそう……と、自分も混乱してきて、どんどんおかしなことになってくる。不登校になるベースに、家族関係のおかしなところというのがあったわけですよね。
前田:自分の生まれ育った家庭の家族関係がおかしいと、子供のうちにまともな人間関係の学習もできない。トラウマもいっぱい受けていますから、いろんなところでコミュニケーションができなくなる。人間関係がまず恐怖なんですよ。人間関係の中に、安心や信頼を抱けないわけです。眠れないから早朝の洗濯はやめてくれと言っても理解してくれない人や、子どもに家計の愚痴をこぼす人。こんな大人たちが周りにいると、家族との人間関係ですらこんなに苦しいのに、外へ出たらどれだけ理解不能な人たちが襲いかかってくるのかという気持ちになってくる。そういうわけで、ひきこもりや不登校のケースはもちろん、ほかの問題のご相談の場合でも、カウンセリングを行うときは、必ず初回に「ジェノグラム」という家族関係図を作ります。相談者が今何歳で、どこで生まれてどんなふうに育って、家族にどんな人がいて……と、最低でもおじいさんおばあさんの代まで情報を聞き取っていきます。そうすることで、いろんな問題の背景が浮かび上がってきます。また、家族以外のところでも、例えば不登校・ひきこもりの場合なら、学校ではいじめがありましたか? 勉強についていけましたか? とかも聞いていきます。もちろん、その不登校の子どもさんが、学習障害や自閉症スペクトラム、ADHDなどの発達障害じゃないかというところも、そういう聞き取りから判断して、「ジェノグラム」に書き加えていくわけです。僕がまともだと思うカウンセラーさんは、しっかり「ジェノグラム」を取っていますが、割とお医者さんがやらないんだよね。保険の点数がつかないから。初診で1時間も使って「ジェノグラム」を作っていたら、保険の点数的に見合わない。精神科や心療内科に絶対行くなとは言わないけど、ややこしい問題がありそうだなと思う人が医療機関に行って症状だけ話しても、症状に対応するお薬だけ出されて終わっちゃう。初診の「ジェノグラム」に保険の点数をちゃんとつければ誤診も少なくなるでしょうけど、国の制度ですから今はどうしようもない。
黒澤:サポート校に行けなくなっても、通信制はなんとか行ってて、とりあえず高校は卒業しました。僕はサッカーが好きで、高校卒業後はスポーツ系の専門学校に行くことになったんです。スポーツジャーナリストやサッカーライターみたいな書く仕事を当時はしたくて。実際にサッカーのプレーもする、戦術も学ぶ、ルールの勉強などもするという学校に、本当は2年行く予定だったんですけど、3か月ぐらいかな、やっぱり行けなくなって。授業の内容より人間関係、人と関わるのがしんどかった。好きなことだから続けられるだろうと思っていたんですけど、やっぱり中高のときと同じで、1~2か月で本当に人間関係に疲れてしまった。夏休みまでは行ってたんですけど、行けなくなって……。そこから治療につながるんです。19歳の頃かな? 母親が、あるカウンセリングルームに実は行ってて、そこの話は聞いていたんですよ。
前田:そこの名前は出していいんじゃない。斎藤学先生という有名な精神科医がいまして。1995年に麻布十番に「さいとうクリニック」を開設されました。ほかに臨床の場として「CIAP原宿相談室」という民間のカウンセリングルームも作っていました。当時家族関係問題や依存症、ひきこもり含めてきちっと安全にカウンセリングしてくれる場所って限られていましたが、「原宿相談室」はそういう家族問題や依存症に悩む人たちが行っていたところ。インターネットのない時代に、お母さんもよく見つけてきたと思います。情報をかなり調べて探されたんでしょう。すぐに黒澤くんもカウンセリングに行ってみない? という話になったの?
黒澤:母親自身はそのうち行かなくなっちゃったんですけど、自分が行くようになった感じです。でも、最初はしんどくて。今の表参道ヒルズとかあの辺かな。竹下通りのど真ん中を通らなきゃ行けないのに、当時視線恐怖がものすごいあったんで、しんどかった。人がいっぱいいるし、しかも、今でいう陽キャの同世代の人たちがいっぱいいる場所を、ダサい服を着て行くのが……。カウンセリングはいいんだけど、行くまでの道のりは本当に嫌だった。
前田:よく行ったよね。すごいなと思うよ。カウンセリングなどに通い始めてくれた人もたいてい、人混みの中、カウンセリングルームまで通うことがつらくて、挫折する人が多いんだよね。外出ちゃうと自分がみっともないとか。ひきこもってるから、服も流行最先端のものを揃えてるわけでもないし。自分に自信がないからね。そう意味では、うちのカウンセリングルームがある高円寺は他の街とは全然違って、通いやすいと思うよ。周りの人と自分を比べる必要がない。あんたより変な奴がいっぱい街を歩いてるから大丈夫だよと言って、通い続けてもらえる(笑)。だけど原宿だとハードルが高いよね。
黒澤:雨の日が楽だったんですよ、傘で隠れるから。
前田:でもカウンセラーさんはすごく良かったんですよね。
黒澤:そう、カウンセラーが自分に合った人で、だんだん今まで話ができなかった家族関係の話とか、恥ずかしいと思い込んでた話ができました。それまでは、相談機関には行っても家族関係の話はできなくて。学校に行けないという話はできるけど、家族の話をしちゃいけないと思っていて。でも、原宿ではだんだんカウンセラーから聞かれるんで、話をするんです。一番大きかったのは、あまり否定をされなかったこと。こうした方がいいなどは、最初のうちはあまり言われなかった。僕は本が好きだったし時間もあったから、よく本を渡されたんです、これを読んでみてくださいと、斎藤先生の本とかを。
前田:斎藤先生の本以外には?
黒澤:ジョン・ブラッドショー。
前田:インナーチャイルドの本?
黒澤:そうかな? あとは「男はプライドの生き物だから(テレンス・リアル著)」とか。
前田:90年代の後半、あの頃の家族問題に関わっている人や当事者はたいてい読んだ本だね。男性の若いカウンセラーさんだったんですよね?
黒澤:当時30後半ぐらいですかね。
前田:いい人に出会えたんですね。捨てる神あれば拾う神ありで、黒澤くんの回復過程で、いくつか転機がありましたよね。まずうつから抜けたのは、担任の先生がいい関わりをしてくれた。それに、そのカウンセラーさんも30代ぐらいの男性ということで、自分の父親より若くて、大人として近い目標にできるような存在でもあるんだよね。
黒澤:もうひとつ。姉が付き合っていた彼氏(今の姉の夫)が週1ぐらいで遊びに来てた。その人はハードロックが好きだったから、夕方にやってた音楽番組を録画しておいてそれを一緒に見たり、麻雀を教えてもらったり。今まで自分が触れたことがない、新しいまったく知らなかったことを一緒にやってくれて、それも大きかった。
前田:今、日本だけでなく世界的に社会の中での人間関係の構造が変わっちゃった。隣の家が何してるかって全然わかんない。会っても挨拶程度。昔は上下関係や同世代以外のいわゆる斜めの人間関係がいっぱいあったし、親類もいっぱいいた。今は血縁は頼れない、地縁も頼れないといった状態です。でも、黒澤くんはお姉さんの彼氏(夫)という人がいたんですね。家族と学校や会社しか人間関係の場がないと、家族内がうまくいってなくて、学校や会社でも人間関係がうまくいかないと、自分にコミュニティーがなくなるんだよね。これが大きな問題で、家族と学校や会社以外の第三の場所が、本当はいろいろ用意された方がいいんだけどね。不登校やひきこもりの人にとっては、今のところ、自助グループのような当事者同士のご縁か、カウンセラーなど援助職の人たちと会うかぐらいが、第三の人間関係の場になっちゃいますよね。どうしてもなかなか縁が広がらない。そういえば大人がいるサッカーのチームに入ってなかった?
黒澤:16から24歳ぐらいまでの人たちのチームでした。そんなにしょっちゅう練習はしなかったけど。
前田:月に何回ぐらい?
黒澤:月に1回。その大人たちはタバコを吸いながらやっている……いわゆるヤンキーで……面倒見はいいわけですよ。いろいろ教えてくれたりとか、食事に一緒に行ってくれたりとかはあった。
前田:ヤンキーっぽい人ってあんまりカウンセリングルームに現れなくてさ。どちらかといえば、悩めるインテリタイプが多い。ヤンキー系の人も実は問題がいろいろあって、来てほしいなって思う人いるんだけどね。アルコールや薬物問題もあるし、DV酷いし。でも、ヤンキーって、だいたい面倒見がよくて地元での仲間意識が強いね。地元での縦横斜めっていう人間関係が広い。上下関係があまりガチガチじゃなければ、年上の人も年下の人もごちゃごちゃになってサッカーやってた黒澤くんの入ってたチーム、人間関係が広く見えるようになってくるトレーニングの場として、とてもよかったんだと思いますよ。ヤンキーっていっても今は昔ほど怖くないし。昔は本当に怖い人たちでしたけどね。木刀ふるって喧嘩するとかそういう世界。今そこまでやりませんからね。そういうヤンキーみたいな人たちと絡んだというのは面白いね。あんまり普通は、不登校・ひきこもりの人たちが通らない道。いいヤンキーたちでよかった。ヤンキーも説教くさい奴だとか、根性論ばかり言う奴もいるからね。
黒澤:そういうのも多少はありましたけどね。
前田:まあそういうのは右から左へ流してればいいよね。そのころはサッカーとカウンセリング以外は外へ出てたの?
黒澤:外出はだいたい親に一緒に行ってもらっていました。まだ視線恐怖が強くひとりで歩くのがしんどかったので。カウンセリングは平日で親も仕事があったため、ひとりで行ってました。
取材者:黒澤さんに質問なんですけど、視線恐怖は自然と消えた感じですか。
黒澤:今はないですね。取材者:カウンセリングを重ねていくにつれ、自然と消えていったのですか?
黒澤:当時は他人への不信感?……自分がどう見られてるかという不安感が強かった。学校に提出物を出せない話も、出した結果、相手がどういう反応をするかわからなかったからで。「原宿相談室」に行ってたときも、原宿・表参道で自分がどう見られているのか……周りは楽しそうな人ばかりだし、視線恐怖が出てきて。でも結果的には、カウンセリングルームに通うこと自体が、回復のためのトレーニングになったんでしょうね。カウンセリングに行って、セラピー的なことをやっていくうちにだんだんそういうのも減っていきました。それで、カウンセリングに半年ぐらい通ってから、自助グループというのがあるんですよと情報をもらって、自助グループにも通い始めました。
前田:最初に行ったのはどこだったの?
黒澤:おそらく「JUST(ジャスト)」でやっていたACグループ。
前田:「JUST」というのは先ほど話に出た斎藤学先生が、麻布十番のご自分のクリニックの近くに、当事者運動の場として立ち上げたNPOです。ACという言葉が出ましたけど、機能不全家族の中で子ども時代を過ごしてきて、それが大人になってからの生きづらさにつながっていると感じる人が、自分たちをAC=アダルト・チルドレンと呼んでいます。ACやひきこもり者や依存症者や、その家族など当事者たちだけで、治療・援助者を入れずに、自助グループのミーティングを行ったりイベントを企画したりしているNPOが「JUST」です。当事者グループ・自助グループというのは、もともとはアメリカのアルコール依存症当事者たちがお酒をやめるために1935年に作った「AA(アルコホーリクス・アノニマス)」が最初です。何をやっても治らなかった、意思の力や根性で止まらなかった酒が、アル中の当事者たちが集まってミーティングを始めたら酒が止まって回復する人がどんどん出てきた。これいいじゃんってことになって、ギャンブルや薬物など他の依存症当事者グループへさらに広がり、依存症家族の当事者グループなどがどんどん作られました。先ほどお話しした共依存の人たち、アルコール依存症者の配偶者たちで集まりましょうというのが、「アラノン」という自助グループですね。それにしても、不登校・ひきこもりの本人が、カウンセリングに通い出してから半年ぐらいで自助グループまで行けるようになるって、なかなか順調な回復ですよね。
黒澤:カウンセリングを続けながら自助グループも通って、そのタイミングで「さいとうクリニック」にも通院を始めました。仕事は当時まだしていなかったけど、だんだんサッカーをひとりで見に行くようになりました。自分でチケットを買って。そのうちアウェイゲームで千葉や茨城にも行くようになって、そのときは出かける練習も兼ねてって感じだったんですよね。インターネットが普及し始めて、スタジアムまでのルートも自分で調べられるようになったんで、一番安い電車賃のルートを調べて、小旅行感覚で始めました。自分の応援しているチームのスタジアムなら駅からの道順も知っていたけれど、初めて行くスタジアムに行こうとして道に迷ったら、誰かに道を聞かなきゃ行けないわけです。でも、それも経験かなと。そういう状況にならないと自分から聞いたり、話しかけたりしないから。そういう状況をあえて作って練習して、道を聞いたりもできるようになってきて。面白かったのが、試合の日に対戦チームの旗を持ってる人がいて、スタジアムに行くだろうと思ってついていったら、実は違う方向へ向かっていたんですよ。友達を呼びに行っただけみたいで。当時はスマホも地図もなく、しようがないからその人にすいませんと声をかけて、「東京から来たんですけどスタジアムまで一緒に行ってもらえますか」と頼んだ。いいおじさんだったから、3人で喋りながらスタジアムまで行きました。
前田:同じチームのサポーターじゃないのに親切にしてくれたんだ。日本は穏やかね。僕がイタリアにサッカー観戦に行ったとき、アウェイのスタジアムやその近くでは、決められたアウェイサポーターの席以外の場所では、絶対にホームチームではないチームの応援はしないでください、さもなければ何をされてもあなたたちの責任ですとまで言われたよ(笑)。
黒澤:その前後ぐらいからアルバイトをするようになって。郵便局で。24か25歳ぐらいだったと思う。短期バイトはちょこちょこやってたんですよ、実は。なぜ短期かというと、辞めますと言わなくていいから。
前田:短期バイトの職種は?
黒澤:イベント会場の案内係ほか、いろいろやりました。郵便局も最初は年賀状のバイトだったので、本来なら1月7日ぐらいには終わるわけですよ。そのつもりで11月に面接へ行ったら、12月頭ぐらいからお歳暮の期間だから小包をやってもらえない? と言われて。それで12月の最初ぐらいから小包の配達をやって、その後に年賀はがきに行くんですけど、職員の方が休職しちゃって、人が足りないから先に入ってくれと言われて。1月5日ごろにこの仕事もそろそろ終わりかなと思って。でも仕事も覚えたし、辞めるのももったいないなと思ってたら、今欠員で人足りないからもう少しやってくれないかと。最初は1か月だけの話だったんですけど、そのまま結局3年ぐらいやってたかな。
前田:少なくとも、やってくれと言われるってことは仕事ができたってことだよな。向き不向きもあるけど、やってみるもんだ。
黒澤:配達だったんで、1回外に出てしまえばあとはもう自分ひとりの仕事。基本的に郵便物入れてくるだけですから、そういう意味では気楽だった。
前田:黒澤くんもそうなんだけど、人生は、その人らしく生きられて生活が何かの形で成り立てばいい。必ずしも職に就かなきゃいけないわけではない。ただ、職を求めてる人の場合は、黒澤くんみたいにソフトランディングするといい。でも、特に10代のうちはまだ社会を知らないし、大学生でも企業の新卒正社員が仕事の全てだみたいに考えちゃうでしょう。だけど仕事ってそれだけじゃないからね。そこを外して考えたほうがいい。ひきこもりからうまく回復して就労していっている人は、最初は人と接しない仕事。そして、短い仕事から始めますよ。いつまでたってもでっかいことを考えてるだけよりは、そういうところから始めてる人の方がうまくいく。うちのカウンセリングに来てたひきこもりから就労した方の場合、最初やったのはポスティング。週1ぐらいでピザ屋のチラシを入れるだけのバイト。次に、自転車に乗って回る配達。その後、ホテルのベッドメイキング。強迫性障害という何か特定のことをきちんとやらなきゃ気が済まないという病気があった人でしたが、すごく真面目な方です。だから、病気のおかげみたいなところもあって、ホテルのベッドメイキングをものすごくきちんとやっちゃう。お掃除もすごく褒められちゃって、今は正社員。ぜひ入ってくれと言われて数年前に就職が決まっちゃったんで、今はもうカウンセリングにはいらっしゃってませんけど、そんな人もいます。それに短期バイトだと、履歴書にあまりがっつり詳しく書かなくていいしね。履歴書、あんなにちゃんと書くのは日本だけみたい。働かせてくれるかくれないかわからない会社に、個人情報を全部出すなんていう国、日本だけなんだって。自分の売りになるものは出していいけど、親は何してるかとか、どこ出身だとかさ、そんなの仕事ができるかどうかと関係ないじゃない。自分の売りになるものは言う。だけど、不利になることは言わなくていいでしょ。どこの学校出たなんて言わなくていいじゃんね。大学卒がどうしても必要だったら、卒業証明だけ持っていけばいいでしょ。小学校なんかどこ通ってたって一緒だし。
黒澤:それで、これから話すことは大事だなと思うんですけど、バイトしてよかったなと思うのは、単純にお金が入るからとか、それによって自信がつくこともあるんですけど、一番大きかったのは、親から金をもらわなくてよくなったこと。これがかなり大きくて。僕は1日4時間から5時間しか働いていなくて雇用保険とかも入ってなかったから、ほぼほぼ引かれるものがなくて。当時は月7万円ぐらいもらっていた。そうすると、サッカーに行くときにいちいち親に金くれと言わなくていいわけ。家の役に立つことのためにお金をもらうんだったらいいけど、サッカーは自分の趣味じゃないですか。そのために親から金もらうって、もう、お金と一緒に罪悪感をもらうってことになってた。働いたことによって、お金をもらう必要がない。そうすると罪悪感ももらわなくなるんです。それは非常に
大きかった。
前田:お金って問題でね。親が別にいいんだよと言ってくれたとしても、罪悪感はあるよね。親のお金で食わしてもらってると思えば思うほどその罪悪感がストレスになって、そのストレスがうつ状態だの焦りも呼ぶし、逆に経済的自立から遠ざかっちゃう。自分で稼げて自分の趣味に使えるようになったのはいいよね。露骨に言う親もいるよ。「お前、誰のおかげで食えてると思ってるんだ」と平気で言う親も未だにいますよ。逆に無尽蔵にお金を出しちゃう人も、これはこれで困ります。親は制限をつけなきゃいけないですよ。仮に100万円出せるとしても、いくら必要なの? と聞いて、必要なお金だけ渡して、あとは治療回復に専念しろという言い方で僕はいいんだと思います。でも罪悪感をもらってたというのは確かにポイントですね。特に不登校・ひきこもりの人たちは、罪悪感が強い人たちですから、学校行けなくてすいません、働けなくてすいません、ひきこもっていてすいません、お父さんお母さんすいませんって思い続けながら生きてる。そこから解放されるというのはいいこと。焦って仕事しろとは言わないけど、今はネットだけで仕事もできるし、雇われるだけが仕事じゃない。
黒澤:自分は基本的にお金を使う方じゃなかったので、お金もだんだん溜まってきて、やりたかった支援の仕事を勉強する学費にしようと考えました。足りない分は奨学金を借りたり親から借りたりして、学校行って資格取って。
前田:何歳のころ?
黒澤:30歳。
前田:最初に社会福祉士取って、精神保健福祉士?
黒澤:社会福祉士は4年間かけて。精神保健福祉士は通信だったので、スクーリング2回ぐらいで取りましたね。
前田:資格は大きいよね。別にひきこもりの人全員に資格を取れと言ってるわけじゃないけど、黒澤くんは当事者としての経験を生かした。障害者の施設や、今就労されている依存症者の回復施設にはサービス管理責任者が必要で、それは黒澤くんが持ってる社会福祉士とか精神保健福祉士の資格があればなりやすい。
黒澤:資格がない人でもなれるんですけど、実務年数が5年とか7年ぐらいかかっちゃう。
前田:その後は波乱もなく、資格の学校にも行けるようになって、休日はサッカーを観に行って、学校で友達もできたの?
黒澤:そうですね。ひきこもり的なことはしなくなりました。友達は年齢がひと回り違うような感じでしたけど。
前田:ずっと自助グループも行ってたんだっけ。
黒澤:ちょこちょこ行ってましたね。HA(ひきこもりアノニマス)とか。支援者同士が集まる場にも顔出すようになって。
前田:そうだね、僕は黒澤くんのことは以前から知ってはいたんだけど、その支援者の集まりで久しぶりに再会したんだったね。その集まりの中で黒澤くんの体験談を聞いて、うちの相談室の体制が整ったらスタッフ頼むよって声かけたんです。今は黒澤くんが手伝ってくれて、おおいに助かっています。FAP療法といううちで使ってるセラピーの上級の資格も取ってもらったから、その施術もできるし、今グループ・カウンセリングを手伝ってもらってるけど、ときどき訪問カウンセリングや個人セッションもやってもらっています。ぜひひきこもりの当事者、ご家族の方は、グループ・カウンセリングに参加したり、黒澤くんの個人セッションを受けてみてください。あと、僕と黒澤くんと、中野さんというベテラン精神科医が3人でオープン・ダイアローグという話題のグループセラピーも行っています。こちらもぜひ試してみてほしいですね。そんな感じで黒澤くんは、今は実家も出て一人暮らしも始め、めでたく完全自立です。ここまでが黒澤くんのひきこもり脱出の体験談ですが、ここからは話題を変えて、女性のひきこもりについてもお話ししましょうか。最近ようやく問題になってきたのは、女性のひきこもりだっているという話。ひきこもりは男性が多いとは言いながら、「心理相談室サウダージ」では、女性のひきこもりのご家族や当事者からもご相談を受けたりしています。また、うちの相談室とは直接関係はない当事者活動ですが、「ひきこもりUX会議」というひきこもり当事者たちが作った団体がありまして、その中の女子部がものすごいエネルギーで活動しています。林恭子さんという元ひきこもりの女性が中心になって、本を出したりイベントを開催したりして、バリバリに活躍しています。林さんに会ったこともあるんだけど、すごいエネルギッシュな人で、本当にひきこもってたんですか? みたいな人です (笑)。それから、ひきこもり当事者グループHAのオープン・ミーティング(当事者じゃなくても行ける)があって、ある時行ってみたら、10人くらい参加者がいて、半分ほど女性でしたね。意外だったのはそのうち3人くらいは、一時かなりバリバリに働いて、燃え尽きちゃってひきこもりになっちゃった女性。もちろん男性もいたし、黒澤くんと同じように不登校から始まって、家族問題があってとか、いじめられた被害があってとか、いわゆる我々が不登校やひきこもりに抱いているイメージの人たちもいたんだけど。そういうわけじゃなく、家族の期待を一身に背負ってバリバリ働いてたんですけど、ついに燃え尽きちゃってうつ状態になり、以後はひきこもりみたいな女性が参加されてました。そういう一時期は仕事をバリバリやってたけど燃え尽きて、うつ状態になってひきこもってしまった人って、今までの私の経験からすると、うつ単体じゃなくて摂食障害がペアになっていて、摂食障害のグループに行くとよく会うタイプという感じでしたが。
黒澤:女性のひきこもりという視点で言うと、発見されなかっただけだと思います。特に問題視されなかった。男性には仕事という役割があって、女性が家事をやって……そういったジェンダー的な問題もあるんじゃないかなと思っていて。だから女性のひきこもりが発見されてこなかったというところはあるんじゃないか。ひきこもりは男性の問題だという認識があったから、支援が就労に傾きがちなんですよね。別に就労に意味がないとは言わないんですけど。
前田:家事手伝いとか花嫁修行中という言い方は、今はさすがになくなりつつありますけれども、そういう言い方で女性のひきこもりは家族の中に隠れていた。専業主婦にも、ひきこもりは隠れていたのかも。
黒澤:バイトする前は、昼間に男がスーツも着ないで外を歩くというのは……しにくかったです。
前田:日本は男女差別がいまだにひどくて、世界のジェンダーギャップ指数も世界156か国中121位……とにかくとても先進国なんて言えないレベルです。そうは言いながらも、昔より多少はマシになってきている。女性たちが声を上げてますから、少しずつもちろん改善はしてるんです。法制度の整備が一番遅れていて、とにかく男は働いて税金を納めろ、女はそのサポートをしてろと。この間、竹信三恵子 さん(和光大学名誉教授、元朝日新聞記者)が、男に働かせて、女は家で家事、育児、介護。これをやってくれると、要するに社会保障費を国は使わなくて済む。税金は利権事業に回す。そんな構造になっていて、おかしいでしょという話をなさっていましたね。(※前田より註:この対談が行われた後、東京都江戸川区が行った大規模なひきこもり調査の結果が発表された。調査対象の約18万世帯のうち、約8千世帯にひきこもり当事者がいることがわかった。少なくともおよそ24世帯に1世帯に、ひきこもり当事者がいることがわかった。調査に未回答の世帯が40%以上なので、さらに多くのひきこもり当事者がいる可能性が高い。注目すべきは、ひとつは男女比はほぼ50%ずつで同数だったこと。ひきこもりは男性が多いという従来のイメージとははっきり違う結果が出た。もうひとつは、世代別の割合は15歳~30代までが36.2%なのに対して、40代~60代が43.3%で、ひきこもり者の高齢化問題の対策は急務であることもはっきりした。また、当事者の60%以上、家族の40%以上が相談をしたことがないと回答したこともわかった。)
黒澤:もうひとつ、ひきこもりで最近問題になっているのは、「5080問題」。長期化高齢化してるひきこもり当事者が、社会にほとんど出ないまま50歳を超え、そのひきこもりの面倒を見てきた親が80代になってしまい、もう高齢ひきこもりの面倒を見る人がいなくなるどころか、親の介護がひきこもり者にのしかかってくるという問題です。僕みたいに不登校からひきこもりというケースもあるんだけど、最近よく聞くのは、さっきの女性ひきこもりの話でも出た、一度社会に出て仕事したけど途中でうまくいかなくなって、そこからひきこもりというケース。そのパターンは本当に多い。高齢化というのは、そこも関係してるでしょうね。
前田:まずブラック企業でボロボロにされちゃって、次に再就職しようとしても、このブランクは何だったのとかいろいろ言われて。さっきの履歴書問題も関係してくるけど、そういうのは本当に困るね。あと非正規の仕事をあっちこっちでしていたけど、コロナ失業してしまったとかね。「ブルシット・ジョブ」 。クソどうでもいい仕事という意味なんだけど、今、特に非正規の人がやらされてる仕事って、ブルシット・ジョブが本当に多いよね。こんな仕事しててさ、人生楽しいの?……やっと生きてるだけじゃんって気持ちになって、また別な仕事を生活のために探すんだけど、またブルシット・ジョブって繰り返しを多くの人たちがしている。給料は上がらないのにきつい労働ばっかり。介護職とか保育など大事な仕事であっても、世間相場のお給料より10万円低いとかさ。国が補助すりゃいいんだけど、そういうとこに今の政府は金出さないからね。どんどん社会変革を求めなくちゃいけない。さて、その「5080問題」の方たちに特におすすめしているのが「ひきこもりの人たちのライフプラン」の作成です。うちの会計を見てもらっている税理士・会計士さんにお願いして、その高齢ひきこもりの家の資産状況、家のローンの残額や預貯金等をうかがって、ご両親が要介護になったり亡くなった後まで考えて、そのひきこもりの方の生涯生活費プランを作るんですよ。例えば、その「5080問題」のうち80代の親の方たちから、「私たち親が死んだら子どもは、いったいどうすればいいんでしょう?」とご相談があったら、お子さんの遺産相続後に、住居はどうなってどのぐらいお金が残って、65歳からの年金受給も含めて、お子さんの今後の月々の生活費や生涯の生活プランを作ってくれる。こういうプランを作ってみると、50歳ひきこもり当事者さんは、案外生涯働かなくて済む場合もあったりとか、わかったりもする。アパートを持ってたりすると一番いいよね。アパートの管理をやってれば家賃収入が入ってくる。プラン作成費は30,000円(税込)です。一度30,000円払えば、生涯の安心が得られるかもしれないから安いものですよ。本当はひきこもりのお子さんのご相談をされてる方全員に、プラン作成をしてほしいです。また、このプラン作成のための聞き取りや作成したプランのご説明に、ご自宅訪問して、その場にひきもり当事者も同席してもらえると、さらにいいです。ひきこもり当事者さんって、社会経験が乏しく現実離れしたことを考えがちですから、いきなり年収1千万稼ぐような仕事をして今まで働いてこなかった分まで取り戻さないといけないなんて思い込んでいて、苦しんでいることもけっこうあります。でも、こういうライフプランを作っていく過程や出来上がったプランを見ているうちに、そんなにがんばらなくても生きていけるとわかり、地に足のついた考えができるようになるのです。そうなると、ひきこもりから現実世界へと脱出できることも、期待できるわけです。貧困家庭のひきこもりというのも、この頃問題になりつつあります。お金がないから民間のカウンセリングにかかれませんし、公的な相談だけには行ってますけど、はかばかしくないというような……こういう人をどうするかという問題はある。それでも、30,000円だけ工面していただければ、この「ひきこもり家庭のライフプラン」を作れますから、ぜひやってほしい。そのご家庭の経済状況に応じた現実的なひきこもり脱出に向けたカウンセリングや自助グループ・家族グループなどを利用した回復プランと、その後の生活計画はそれなりに作れます。
黒澤:個人的にも、このプラン作りは一番大事だと思います。
前田:でも、プラン作成してほしいなとは思ってるんだけど、なかなかやってくれないんだよね。どうしてだろう? ひきこもり当事者さんだけじゃなくて、ご家族も現実に直面るのが怖いのかなあ? 実は、現実をちゃんと認識した方がずっと楽になるんだけど。
黒澤:ひきこもり当事者が働くことを考えていたとしても、自分が働いてどれぐらい月に稼いでいれば生活が成り立つのか、働き始める前に理解しておいた方がいいと思います。
前田:たぶん心理カウンセリングという場所で求めてるものは、お金の話じゃないっていう心理もあるんでしょうけれども。もちろん、カウンセリングによる心理面からの支援が、我々の支援のメインです。でも、どこかのタイミングで、このライフプラン作成をやってもらえるといいなー。
黒澤:本当はね、こういう生活プラン作成は、ひきこもり支援施設でやってくれれば一番いいんです。その人が置かれてる状況によって、個別にどういう支援をするか、もっと柔軟に考えていかないといけないと思いますけど、どうしてもひきこもり支援施設などでのプログラムが画一的になってしまうなと。
前田:柔軟にやれるようなスタッフのトレーニングができていないんでしょう。とにかく就労させることを目標としか考えていないように感じる。それでうまくいくケースもあるけど、就労が必ずしも目標にならない人はいっぱいいる。就労就労って言われて潰れる人もいるし、そこは個別にケースで見なきゃいけない。それから、ひきこもりの原因として、明確な精神疾患があるかどうかは見ておかなくちゃいけない。統合失調症、摂食障害、アルコール依存症、強迫性障害などがあって、ひきこもりに陥っている人もいるからね。そういう人には、また個別のプランで対応ですね。統合失調症で妄想出ちゃってたり幻聴が聞こえてるためにひきこもりに陥っている人に、病気の治療もちゃんとしていない段階で、いきなり就労を目標にした支援を考えてもダメでしょう。そういうひきこもりケースでは、まず病院にどうやってつなげるかが先です。もうひとつ、ひきこもり支援の基本は、まずは自分の家だけで何とかしようとしないってことだよね。ちゃんと相談に行って、1か所でうまくいかなきゃ何か所か回るしかない。無料の公的な相談窓口にだって、いい支援者に巡り合える場合もあれば、高いお金を払う民間相談機関に行ったからと言って、必ずしもうまくいくわけでもない。ただし、はっきりダメなのは、いわゆる「引き出し屋」。
黒澤:そこは論外ですね。
前田:ものすごく高い金取って無理やり押しかけてきて、それこそドア壊して引っ張り出すという。100例に1例ぐらいうまくいく人がいるんだけど、そういうわずかな成功例をテレビが素晴らしい支援機関のように番組で取り上げたりするんだよね。ひきこもりから立ち直らせましたとか。だいたい、まず法的に問題がありますよね。
黒澤:拉致監禁ですよね。
前田:それから、ゲーム依存症・インターネット依存症を併発していないかも、チェックが必要ですね。ひきこもりが先に起きていて、やることがないからゲーム、ネット依存が進んだという人もいれば、ゲーム、ネット依存が先に起きていて、ゲームばかりやっているうちに外に出ることがなくなったか。どっちが先かで対応が違ってくる。これもまた個別にご相談いただくしかないです。不登校やひきこもりのご本人がカウンセリングを受けるハードルを下げようと、電話やオンラインでのカウンセリングもご利用を呼びかけているんですが、あまり利用してくれないですね。初めての方は、オンラインだとしてもなかなか受けてくれないですよ。やはり、ひきこもりのカウンセリングは、ご家族からというのが基本ですね。黒澤くんの場合でも、最初はお母さんがカウンセリングに通い始めたように、まずご家族からカウンセリングに来ていただきたいです。家族が動くと本人も良くなります。ひきこもりのご相談では、カウンセリング終了まで一度も本人には会わないで問題解決というケースも多いです。一番典型的にうまくひきこもり脱出してくれたケースでは、半年間、月2回、お母さんが確実に毎回毎回、定期的にきちっと来てくれた。本人は、最初は部屋に閉じこもった上に部屋にさらに間仕切り入れて、雨戸もぴったり閉め切って、そこでじっとうずくまっていた。しかし、カウンセリングを半年お母さんに受けていただいたら、本人が就活を始めました。本人とは1回も会ってませんし、声も聞いてないです。ただ、ご家族が相談に来ていただいても、相談回数が1回や2回じゃ変わりません。しばらく定期的に来てもらえると変わります。ところで、ニートという言葉は今使ってる?
黒澤:ひきこもりの一部には、いわゆるニート=NEET(Not in Employment,Educationor Training)の人がいると思います。これは僕の印象ですけど、ニートの人はあまり「働かなきゃ!」と思ってないように感じます。若い頃からずっとひきこもってたら、結果的にニートになるんですけど、ちょっと前に、「働いたら負けだと思っている」みたいなことを言っている人たちがいたじゃないですか。僕のニートっていう人の印象はああいう感じ。ひきこもりの人と心理的な葛藤が違うのかなって気がするんですよね。
前田:いい若いもんがブラブラしよってとか文句言われてるかもしれないけれど、労働者の3分の1ぐらいは非正規就労になっちゃっている今、若いもんがブラブラせざるを得なくなってるんですよ。でも、うちの「心理相談室サウダージ」がある高円寺は、平日の真昼間から若いもんがブラブラしてても、誰からも不思議に思われない街だからいいですよ(笑)。昔は、正規雇用からあぶれちゃった人に仕事を与える場所が、地元の商店街だったなんていう話を聞いたこともあります。チェーン店だとそういう人の就労場所としては小回りが利かないんだけど。地元の商店街の個人商店で、真昼間からブラブラしてる若い人にうまく仕事を回してやれたり、そういう人に個人起業の場を与えてやれると、なんとかなっちゃう人も多い。ただ、地元の中小商店は今はコロナ禍でいろいろ大変だし、来年、消費税にからんだインボイスという制度が予定通り実施されてしまうと、小規模業者には実質大増税になる上、煩雑な事務仕事も増えますから、そういうニート的な人の働く場になっている地元商店街の個人商店も、どんどん潰れるかもしれない。この制度は絶対に導入阻止しなくちゃいけないんですが、そこをクリアできれば、跡継ぎのいない店とかでニートやひきこもりの人に働いてもらって、ゆくゆくはそういうお店の跡継ぎになってもらうのもいいかもしれない。そういう小商いが成り立つといいですよね。シャッター街をこれ以上増やさない対策にもなりますよ。
黒澤:僕は、ひきこもりはハローワークに行ったら駄目って思ってるところもある。正攻法でいっても、なかなかひきこもりの人の就労はうまくいかない。バイト募集のフリーペーパーを見るのもやめた方がいい。むしろ地元の関係性をうまく利用して、相手にこいつ意外と使えるじゃんと思われて、じゃあうちで正式に働いてみるかって感じで声かけてもらうというようなやり方の方がいいと思う。
前田:黒澤くんの場合も、郵便局の仕事もそうだったし、今の仕事、依存症支援も回復の過程で作られた人脈で見つけていったわけだしね。
黒澤:今勤めている依存症者の回復施設も、自分とその施設の方と両方の共通の知人から紹介してもらって、今の社長さんと会って、その繋がりで拾ってもらったんです。そういう繋がりを作るというのは大事。
前田:そうですね。もちろんハローワークで見つかればいいけど。それだけに限定しないほうがいいですね。
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